基地局と端末の接続チェック

まず基地局を設置してチャンネルを割り当て、SSIDとセキュリティを設定します。
それが済んだら、基地局が所定どおりの通信を実現できているかどうか、通信試験モニタを使って検証します。
課題があれば基地局の出力や設置方向や位置を微調整します。それでも解決しない場合は、再度サイトサーベイを実施して、各基地局のサービスエリアとチャンネル設計を見直します。
端末側については、購入した無線LANカードやパソコンの指示に沿って、無線LANドライバをパソコンにインストールし、「インストール完了」の表示を確認します。

続いて、工事プランで決めたセキュリティを画面上から設定し、接続試験を行います。
接続に成功すると、無線LANドライバのアイコンが表示されます。ただし、この接続時のアイコンを「表示しない」に設定していたり、ドライバのインストールに失敗している場合は表示されません。
アイコンをクリックすると、接続状態の確認画面が表示されるので、同期速度やシグナルの強さが予定どおりの値になっているかをチェックします。
複数のSSIDを使うネットワークでは、目的のSSIDに接続していることを確認します。
ノートパソコン等を移動させ、別の基地局へローミングして使うプランの場合は、その動作も検証します。

CRCエラー
他の基地局を含めて環境ノイズに問題がないのに通信速度が出ない場合は、無線LANモニタでCRCエラ一やACK落ちを確認します。
基地局の機種やクライアントのドライバによっては、CRCエラーをそれ自体で確認できるものもあります。
CRCエラ一の数が多くなるのは、無線LAN通信のデータが他のデータ送信と衝突して、受信フレーム内のデータの値が壊れたときです。
このため、隠れ端末問題に起因するCRCエラーについては、ネットワーク全体が実通信状態にあるときにチェックするのがコツです。
基地局の接続が電波レベルではできているのに、実データを送受できない場合は、セキュリティ設定やIP通信の設定を確認します。

WindowsXP- SP2のセキュリティ確認画面では「ワイヤレスネットワーク接続状態」の画面でプロパティを開き、そのなかの「ワイヤレスネットワーク」タグを選択すると、SSID対応で接続に成功しているか否かがアンテナのマークで表示されます。
アンテナにx印が付いている場合は、無線空間上にアクセスポイントが見えているのに接続できていないことになります。
このとき、ハードウェアが正常であれば、セキュリティの設定がズレているケースが多くあります。
その場合は、当該基地局のプロパティを開き、セキュリティ設定の詳細をチェックします。
システム全体が「セキュリティエラー」となっていて、基地局や認証サーバーを使っている場合は、それらの設定も確認します。
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