802.3af委員会
802.3af委員会は2003年6月にPoEの仕様を策定し、現在はセキュリティ機能の討議が活発になっています。
これは「MAC Key Security」と呼ばれ、 IEEE802.3aeのMACセキュリティと連携して、レイヤ2の通信を暗号化します。
IEEE802.3x等のセキュリテイと連携可能とすることも前提に、標準化の検討が進められています。
802.3afの現行規格では、2対(4芯)ケーブルで15.4Wを給電します。
これを2対で30Wにまでアップさせることを、802.3atでは検討しています。委員会では2対で50W、4対で100Wの実験データを共有しています。
但し、2006年夏現在まだ審議中ですから、802.3at規格の実用化は2007年以降を待たねばならないでしょう。
既に勧告に移された802.3afの方には、2種の配線パターンがあります。
「タイプ A」と「タイプB」という分類がそれで、給電側と受電側でタイプを合致させる必要があります。
タイプAとタイプB
タイプA
10BASE-Tや100BASE-TXのなかの2対(4芯)の通信線を使います。
1・2・3・6番ピンのうち、1と2、3と6の対で使います。信号線のなかに電力を重畳して通すので、「インラインパワー」とも呼ばれます。
タイプB
タイプAとは異なる線を使い接続します。100BASE-TXでは使いませんが、 1000BASE-Tでは信号線に使っている線です。
そしてタイプBの保証外に 1000BASE-Tがあり、802.3atの勧告待ちとなっています。
電力提供先
PoEの電力提供先は、基地局装置やIP電話機に限らず、ネットワークカメラや、 LAN対応のビル管理装置やFA機器など、多岐に広がっています。
それらすベてが15.4Wを必要とするわけではないので、「電力クラス」というオプションの考え方や、やり方がPoEにはあります。
電力クラスは0から3の4段階に分かれています。クラス分けオプションに対応していない機器はクラス0となります。
給電HUBは15.4Wを出力し、100メートル先 のケーブル端では12.95Wを供給できます。
これと同じ最大パワーを使うのがクラ ス3の機器で、「フルパワー」と呼ばれます。その約半分の7Wを給電するのがクラス2で、「ハーフパワー」と呼びます。
クラス1はフルパワーの4分の1の電力で、「クォーターパワー」と呼ばれます。
電力の抑制は、LANケーブルの発熱を抑えることにもなるので、極力、消費電力を抑えて使うのがコツです。
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