無線LANアクセスポイントと既設LANの有線接続

基地局と既設LANの接続には「100BASE-TX」というイーサネット配線がよく使われます。LANケーブルを差すポートを、パソコン側のストレートポートとHUB側 のクロスポートの関係にして、ストレートケーブルで接続するやり方です。
= と X
この接続は単純ですがミスがよく起きます。ストレートとクロスという2種類のLANポートがあるだけでなぐケーブルにもストレートとクロスがあるため、組み合わせミスが起きやすいのです。
通常の基地局装置にはストレートポ一トが付いています。コネクタの上に「=」のマークがあればストレートです。記載がない場合は、取り扱い説明書を確認しましょう。

次にHUBの空きポートを確認します。通常、パソコン用の接続ポートは「X」マークが付いたクロスポートです。
「=」マークのポートしかない場合は、クロスケーブルを用意するか、スイッチングHUBを増設しますが、クロスケーブルはできるだけ混ぜない方が後々のトラブルを減らせるので、HUBを足す方がよいでしょう。
特に工事現場で自作したケーブルは既製品と異なり、クロスケーブル等の表記がない場合があるので注意が必要です。
配線に使うケーブルがクロスかストレ一トかわからないときは、ケーブル端を見ます。100BASE-TXのケーブル端は透明なプラスチックなので、1番ピン同士の色を比べます。同じ色ならストレート、 違っていたらクロスである場合が多いです。
LANケーブルのグレード

またLANケーブルには「カテゴリ」というグレード(等級)があり、それぞれ対応できるLANが異なっています。
100BASE-TXに使えるのはカテゴリ5以上です。ケーブルに「CAT5」(力テ5)、あるいはCマークの中に「5」と記載されたロゴが印刷してあるケーブルを使います。
基地局は通常、スイッチングHUBにつなぎます。単なるHUBの場合は、HUB 同士の接続段数は最大2段までで、かつHUB間のケーブル長は5メートル以下にするという制約を受けます。
また、100BASE-TX対応のスイッチングHUBは価格が下がっているので、単なるHUBの場合はスイッチングHUBに置き換えることをお勧めします。
ケーブルや既存LANの配線のクロスやストレートをいちいち意識する必要のない、自動整合方式の機能を搭載した機器もあります。
「Auto MDI/MID-X」と呼ぶもので、送信信号同士が衝突したら、自分の通信ポートのクロスとストレートを自動で切り換えてくれます。
ただし、いくらこうした機能があっても、ケーブルのグレードが低かったり接触不良箇所があると、通信に支障をきたします。
配線工事では何事も基本を確認しつつ進めるのがコツです。
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