トラブル回避
線の撚り方に起因する特性インピーダンスも保持する必要があります。
このため、ケーブルのカテゴリに合わせて、配線の撚りの戻せる長さをミリ単位で遵守するよう工事します。
ですから一般の人が工事する場合には、カテゴリ5以上の「加工済みケ一ブル」を使うことがトラブルを避けるコツです。
「ミッドスパン」と「エンドスパン」
PoEを使う際、給電アダプタLANの回線インタフェースと端末の間に入れる方式を「ミッドスパン」と呼びます。
一方、PoE対応のHUBと端末の間で直接給電する方式は、「エンドスパン」と呼び分けます。
将来1000BASE-Tへ発展させる場合、タイプBのミッドスパンは使わない方が、後々の工事見直し範囲を減らせます。
但し、1000BASE-Tへの対応を2007年より 先に持ち越せるのであれば、802.3atの勧告に期待して、ミッドスパン方式を採用するといつ考え方も成り立ちます。
ノッチパネルを用いてPoEを追加する場合には、タイプBのミッドスパン方式にするケースが多いため、将来の拡張に注意して使います。
最近では、1000BASE-Tのインタフェースを標準で搭載するパソコンが増え、オフィス配線を1000BASE-Tにアップグレードする機会も多くなっています。
そうした場合には、ケーブルのグレードもエンハンスドカテゴリ5以上に統一します。さらにカテゴリ6以上になると、1対の撚り対線単位にシールドされる厳重さです。
PoE HUBを使いこなす
PoE対応のスイッチングHUBは、非対応のものよりも電源部が大きく、回路構成が増えるため、価格は高くなりがちです。
特定の1ポートや4ポートだけがPoEに対応した給電HUBも製品化されているので、導入コストを抑えるために、必要最少限の給電ポート数を持ったHUBを活用するやり方もあります。
さらに全ポートPoE対応の給電HUBのなかには、例えば36ポートのうち24ポー トにだけ、クラス3のフルパワーを供給するといった製品があります。
給電ポートに優先順位を付け、特定の装置への給電を優先できる製品もあります。これらを総合し、トータルの供給電力を調整します。
PoEが本当に稼働しているかどうかは、HUBの給電ランプを見て確認します。
また、PoEはSNMP (Simple Network Management Protocol)をサポートしているので、リモートからSNMP管理ツールで確認することもできます。
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